サウナでおっさんのエキスについて考えていたらネイピア数に出会って薬物動態学を思い出した話。

今回はトレードとは全然関係ないです。趣味です。

 

最近サウナにはまっているのですが、整っている時にふとこんな疑問が。

 


お湯って綺麗なのかな?

みんなが入っているお湯には汚くて入れない。そんな方もいるかと思いますので、計算してみました。

 

まずは、浴槽1杯分のお湯が入ってくる時間で、どれくらい浄化されるものなんだろうか?

 

浴槽1杯の水を全部入れ替えれば綺麗になりますが、実際は濃度を薄めていくだけです。1回に入れ替えるお湯の量を細かくしていくような考え方で求められそうです。

 

半分のお湯を入れ替える作業を2回行った時は、

 

 \left(\dfrac{1}{2}\right)^{2}

 

で、25%のおっさんエキスは残る事になり

 

1/3のお湯を3回入れ替えた場合は

 

 \left(1-\dfrac{1}{3}\right)^{3}

 

となり、約30%のおっさんエキスは残る事になります。

 

入れ替えるお湯の量を∞に細かくした場合、

 

\lim_{n\to\infty}\left(1-\dfrac{1}{n}\right)^{n}

 

となりますね。これを計算すれば求められそうですが、なんか見おぼえが。

 

そう、これはネイピア数 e の定義式ですね。

かっこの中が+ならe、-なら逆数になり、1/eになります。

 

おっさんのエキスの中にもネイピア数が存在するなんて。数学って面白いですね。

 

ということで、この計算結果は1/eとなり、

浴槽のお湯が1回入れ替わると、だいたい37%くらいのおっさんエキスが残る事になります。

 

ネイピア数が出てきたので、テンションが上がってきてしまいました。眠れません。

 

 

入ってくるおっさんエキスと、出ていくおっさんエキス。これが釣り合う時には、おっさん何人分のエキスが溶け込んでいるのか。これも計算していこうと思います。

 

半減期を計算すれば求められそうですが、

半減期を計算するために、まずは銭湯のお勉強です。

 

旧厚生省が出している、「公衆浴場における衛生管理要領等について」

にこんな記載を発見。

 

「循環ろ過装置は、1時間当たりで、浴槽の容量以上のろ過能力を有する事」

 

1時間で浴槽のお湯が入れ替わるなんて、銭湯すごい。

 

 

ということで、1時間でお湯が入れ替わる時の半減期を計算してみます。

 

おっさんエキスの消失速度をV、消失速度定数をk、おっさんのエキス量をXとすると、V=k×Xで、でこれを微分して。。。

 

ってこれ、薬物動態学でやったやつだ!

 

リアランスを入れ替わるお湯の量、分布容積を浴槽の広さで考えると、1コンパートメントモデルで考える事が出来ます。

 

数式を書くのは面倒なので、途中式は割愛して

 

とにかく、

半減期は0.693/k(消失速度定数)で求められ、

kはCL(時間当たりに入れ替わるお湯の量)/Vd(浴槽の体積)で求められます。

 

今回は1時間当たりに入れ替わるお湯の量が浴槽の容量と同じ。つまり、CLとVdが等しいので、消失速度定数は1となり、消失半減期は0.693時間。だいたい42分くらいになります。

 

最初の計算では1時間で37%程度でしたので、42分で50%は妥当な計算結果です。

 

定常状態のおっさんエキス量は、半減期内に入ってくるおっさんエキスの倍の量になるので、42分内に入ってくるおっさんの人数の倍の量のおっさんエキスが常に浴槽内に存在していることになります。

 

統計によると、浴場1日あたり、132人が銭湯を利用しているそうです。

42分当たり、4人くらいになります。

 

ということで結論。

 

平均すると、浴槽には常に8人分のおっさんエキスが存在していることになります。

 

これくらいなら全然我慢できそうですね。

 

おしまい。